事務系独身アラサーが親知らずを 抜く

事務系独身アラサーが親知らずを4本抜く話です。

親知らずと暇つぶし

「これから緊張を和らげる点滴入れますねー。」

 

そんな点滴あんのか。

 

透明な液体が

割と速い速度で点滴されていった。

 

「次に唾液が出にくくなる点滴も入れますね。」

 

歯科医院に通っていた頃

唾液が出やすい体質らしく

吸引機でめっちゃ吸われた記憶がある。

 

唾液が出にくくなると言うのは

どんな風に作用してそうなるんだろう。

 

ホルモン?消化器官?

 

よく分からないが

唾液が出にくくなるというのは体感しやすいと思うので

少し点滴が楽しくなってきた。

 

唾液が出にくくなる点滴は

緊張を和らげる点滴と

バイパスみたいにつなげて投入された。

 

「これでしばらく様子見ますね。

 手術の1時間前

 今から1時間後くらいにまた来ますので

 点滴してるところが痛いとかあれば

 ナースコール押してください。」

 

そういって看護師さんは病室から出ていった。

 

点滴は付けられたが

肘の曲げ伸ばしは自由で

別に横になっていなければいけないということでもないらしい。

 

何となく暇なので

持ってきた小説を読むことにした。

 

読んだ本は天久鷹央の推理カルテシリーズ。

 

医療の観点から謎を解き明かす推理小説

 

医学に知識がなくても

聞いたことがある病名が出てくるので

親しみやすいし読みやすい。

 

病院内の派閥の確執も描かれていて

小説なりの人間らしさが出ててちょうど良い。

 

読んでて思ったけれど

これもあまり病院で読むものじゃないな。

まあいいや。