事務系独身アラサーが親知らずを 抜く

事務系独身アラサーが親知らずを4本抜く話です。

親知らずと暇つぶし

「何か買ってほしいものある?」

                                               

普段親からこの質問が来たのなら

迷いなくプロジェクターと答えるのだが

あいにくここは病院だった。

 

リップクリーム持ってきていなかったので

それを買ってっもらった。

 

口の中の手術だからかもしれないが

唇が異様に乾くので

リップクリームは必需品だと感じた。

 

「麻酔したあとなのに眠くないの。」

 

と聞かれたので

寝ようと思えま今ここで倒れるように眠れるし

起きようと思えましゃきしゃき起きれると答えた。

 

麻酔によって人の指令で動いていたのが

今度は自分自身の指令で動いているような感覚になっていた。

 

でもこれは普段から無意識に行っていることで

麻酔で意識的に行っているという感覚だった。

 

今は親と散歩するという自分からの指令で動いている感覚。

 

親は終始「ふーん」といった感じで話を聞いて

「じゃあもう帰るわー。」

と帰って行った。

 

病室に戻った。

 

眠気はあるが眠くない。

 

今寝ると夕食の時間をがっつり逃しそうなので

それまで時間をつぶすことにした。

 

もう一つ持ってきた本を読むことにした。

 

知念実希人の「仮面病棟」。

推理カルテシリーズと同じ作者の作品で

これも病院が舞台の話だ。

ふとした病院内の事件に巻き込まれ

その事件が病院という閉鎖空間での異常な日常を切り取っている。

最後までふわふわとした不気味な雰囲気のまま話が終わってしまうので

もやもや感が残るかもしれないが

ホラーというかミステリーというか

そういうジャンルとして読むなら逆にライトな感じがして読みやすかった。

 

というかこれも病院で読んでいい本じゃないな。