親知らずと計画書
唯一処遇に困ったのは
抜いた親知らず達だ。
今まで普通にベッド横の机に置いてあったけど
これって持って帰るものなの?
置いてってもいいの?
持って帰っても腐っていくだけだろうし
正直いらないんだけど。
誰か看護師が来たら聞こう。
荷物をまとめても書類が来る気配がなかったので
暇つぶしをすることにしたのだが
暇をつぶすものがない。
なにより
スマホの充電がしたい。
実は入院した昨日の段階で
スマホの充電は50%を切っていた。
親に病室を知らせたり
ふとした合間にツイッターやゲームをしていたせいで
現時点での電池は5%ほどになって警告が出ていた。
充電したい。
コンセントの空きはベッド脇にパッと見2つある。
でもこれ勝手に使っていいのかな。
盗電したって言って賠償請求されないかな。
うーーーーーーん。
負けた。
充電器をコンセントにさして
スマホを充電することにした。
スマホ依存症というほどではないが
娯楽がない病室においてスマホは唯一に外界とをつなぐ手段である。
それが充電されると少し心の中も満たされる気がした。
決してスマホ依存症ではない。
そうこうしているうちに看護師がやってきた。
やっべ盗電怒られる?!
と思ったが看護師は淡々と話しかけてくる。
「これ退院後の療養計画書です。
読んどいてくださいね。」
そういわれて書類を手渡された。
療養計画書には
・術後10~14日で抜歯をしてください
・かたいものは控えてください
・熱いお風呂や長風呂は避けましょう
・激しい運動は避けてください
・鼻を強くかまないでください
・異常がありましたら病院に必ず連絡してください
と書かれていた。
「あと渡してる薬は一つは毎食後に飲んで
なくなったらそれで終わりです。
痛み止めは痛くなったら飲んでいいですが
必ず6時間以上間を開けて飲んでくださいね。
イソジンも使い切ったら終了になります。」